オーストラリア中銀、現状維持確実か 物価に落ち着き 豪ドル安再び?
RBAが19日までの理事会に際して利下げの方向性を示せば豪ドル安要因。一方、物価上昇への警戒感を示せば豪ドル高要因となる。

オーストラリアの中央銀行にあたるオーストラリア準備銀行(RBA)は19日に理事会の結果を発表する。金融市場では政策金利の据え置きが確実視されており、焦点となるのは今後の金融政策をめぐる情報発信だ。RBAは2月の理事会に際しては、物価上昇の根強さへの警戒から利上げの可能性を排除しなかった。その後、1月の物価動向には落ち着きが感じられており、RBAのトーンに変化が出るかが注目される。オーストラリア経済に減速への懸念も持ち上がっている中、利下げへの方向転換が明確になれば、豪ドル円相場には豪ドル安圧力がかかりそうだ。
オーストラリア中銀が示す金融政策の方向性は?
RBAは19日午後2時30分(日本時間19日午前12時30分)に理事会の結果を発表する。ロイターがまとめた事前調査によると、40人のエコノミスト全員が政策金利が4.35%で維持されると予想。また、LSEGのデータによると、政策金利の据え置きについて投資家の動向から算出される確率は、日本時間18日午前11時30分段階で95%となっている。
このため19日の発表での焦点は、声明文や記者会見で今後の金融政策についてどのような方向性が示されるかだ。RBAは2月5、6日の理事会では2会合連続で政策金利を維持しつつ、声明文では「さらなる政策金利の引き上げも排除することはできない」と言及。10-12月期の消費者物価指数(CPI)の伸び率が前年同期比4.1%だったことに警戒感を示していた。
1月のCPIは伸び率が予想を下回る結果
ただ、28日に発表された1月のCPIは、総合指数の伸び率が3.4%となり、市場予想の3.6%を下回る結果。また、果物、野菜、ガソリン、休暇旅行の料金を差し引いた指数の伸び率は4.1%で、12月の4.2%を下回った。また、3月6日に発表された10-12月期の実質成長率は前期比0.2%で、7-9月期の0.3%から減速している。ロイター通信によると、ジム・チャーマーズ財務相は、オーストラリア経済をめぐるリスクの重みについて「物価上昇から成長へ移ってきている」と述べた。

豪ドル円相場は足元では97円台で推移
こうした中でRBAが19日に今後の金融政策の変更が利下げ方向になるとの立場を明確にすれば、FX市場では豪ドル安要因として働きそうだ。豪ドル円相場(AUD/JPY)は2月初めには1豪ドル=96円台で推移していたが、RBAの2月理事会を機に豪ドル高が進み、23日には99.04円をつける場面もあった。その後は1月CPIの結果などを踏まえて豪ドル高圧力が弱まり、足元では97ドル台で取引されている。

一方、RBAが引き続き、物価上昇の強さへの警戒を崩さなかった場合には豪ドル高が進むことも考えられる。また、19日は日本銀行が金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除を決めつつ、今後の利上げについては慎重姿勢を示すことが有力視されており、想定通りの結果になれば、材料出尽くし感からの円安が豪ドル円相場を豪ドル高方向に動かす可能性もありそうだ。
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