米CPI、4月は減速見通し 15日発表 S&P500最高値も
アメリカの4月CPIの上昇率が低下すればFRBにとっては久々の朗報。利下げ期待がつながり、S&P500の見通しが明るくなりそうだ。
アメリカで15日に発表される4月の消費者物価指数(CPI)は物価上昇の減速が見込まれている。予想通りになれば、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げへの期待がつながりそうだ。労働市場の過熱感の和らぎを受けて低下してきた長期金利(10年物米国債利回り)がさらに下がり、企業決算も追い風となったS&P500種株価指数が、1か月半ぶりに最高値を更新する可能性もありそうだ。ただ、予想に反して物価上昇の根強さが確認された場合には、改めて金利の先高観が強まる筋書きも想定され、S&P500の今後の見通しが再び暗くなることも考えられる。
アメリカの4月CPIは物価上昇率が3月より低くなる見通し
米労働省は15日午前8時30分(日本時間15日午後9時30分)に4月CPIを発表する。ロイターがまとめた事前予想によると、総合指数の伸び率は前年同月比3.4%となり、3月の3.5%から低下する見通し。また、食品とエネルギーを除いたコア指数の伸び率は3.6%となり、こちらも3月(3.8%)から低くなるとみられている。物価上昇が減速すれば、総合指数では1月以来3か月ぶり、コア指数では2月以来2か月ぶりだ。
4月CPIの結果が予想通りに物価上昇の減速を示せば、物価上昇率2%を目指すFRBにとってはCPIでの久々の朗報といえる。LSEGによると、CPIの伸び率は3月まで4か月連続で総合指数とコア指数がともに事前予想を上回り、物価上昇の根強さを印象づけてきた。2023年末に3月とみられていた利下げ開始時期は4月末には12月まで後退。年末に3.8%台だった長期金利は4月下旬には4.7%台まで上昇して、S&P500(SPX)の重荷となってきた。
S&P500は4月雇用統計発表後に上昇 長期金利が低下
ただし、FRBの利下げ見通しは5月に入ってからは復活してきている。3日に発表された4月雇用統計で、非農業部門の就業者数の増加幅が予想を大きく下回ったことがきっかけだ。CMEグループのデータによると、金融市場が見込む利下げ開始時期は、足元では9月が最有力。また、LSEGによると、13日のニューヨーク債券市場での長期金利の終値は4.481%まで下がっている。
こうした中、4月CPIの結果が好感された場合にはS&P500にとっては新たな好材料といえる。13日の終値の5221.42は、3月28日につけた最高値(5254.35)まであと0.63%の水準で、1か月半ぶりの最高値更新が期待できそうだ。
ただ、CPIの伸び率が直近3か月と同様に市場予想を超える強さになった場合は、株式市場の前向きなムードは縮小しそうだ。FRBのジェローム・パウエル議長は連邦公開市場委員会(FOMC)後の1日の記者会見で、物価上昇の根強さを認めつつも利上げの可能性を否定してみせたが、改めて金利が上昇していくとの見通しが意識されることも想定される。
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