コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

米国株、物価高で反落 S&P500上昇見通しに打撃 エヌビディア続落

S&P500は12日に0.27%安。1月CPIが予想を超える強さだったことが嫌気された。投資家心理が暗転したとはいえないが、不安はくすぶり続けそうだ。

米国株、物価高で反落 S&P500上昇見通しに打撃 エヌビディア続落 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場が物価高懸念にさらされた。S&P500種株価指数の12日の終値は前日比0.27%安の反落。長期金利(10年物米国債利回り)が1月下旬以来の高さに跳ね上がったことが重石となった。朝方に発表された1月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を超えたことが、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しを後退させたことが要因だ。半導体大手NVIDIA(エヌビディア)の株価も続落となり、株価復調にブレーキがかかった。一方、FRBのジェローム・パウエル議長は1月CPIへの過剰反応を戒めており、S&P500の値動きは底堅さも感じられる。ただ、ドナルド・トランプ大統領の経済政策をめぐる物価上昇不安は依然として残り、S&P500の今後の見通しの重荷となりそうだ。

アメリカのS&P500は反落 長期金利が1月下旬以来の高さに

S&P500(SPX)の12日の終値は6051.97で、3営業日ぶりの反落となった。ブルームバーグによると、12日のニューヨーク債券市場では長期金利の終値が4.625%となり、1月23日(4.645%)以来の高さとなった。金利水準の高さは株式の投資先としての魅力を相対的に低める要因といえ、S&P500の見通しを暗くしたようだ。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

1月CPIは予想を超える伸び 前月から物価上昇が加速

長期金利上昇の引き金となったのは1月CPIだ。総合指数の伸び率は前年同月比3.0%で、ブルームバーグがまとめた市場予想の2.9%を上回る結果。食品とエネルギーを除いたコア指数の伸び率は3.3%で、やはり市場予想(3.1%)から上振れた。コア指数の伸び率は前月の3.2%からの低下が見込まれていたが、実際は物価上昇加速に終わった形だ。

アメリカの消費者物価指数(総合、コア、家賃)の伸び率の推移のグラフ

こうした中、FRBの利下げ見通しは後退。CMEグループによると、FRBの2025年中の利下げ回数が2回以上になることについて投資家の動向から算出される確率は、日本時間13日午11時の段階で30%程度で、前日までの43%程度から低下している。

エヌビディアは1.25%安で続落 大幅下落からの反発の勢いが低下

金利の先高観は大手ハイテク株の値動きにも影響した。エヌビディアの株価(NVDA)は前日比1.25%安と続落し、131.14ドルとなった。エヌビディアの株価は10日までの5営業日続伸で1月上旬からの大幅下落の半値戻しを達成していたが、反発の勢いが削がれた形だ。大手ハイテク株ではこのほか、アマゾン・コム(AMZN)が1.65%安、アルファベット(GOOGL)が0.92%安、マイクロソフト(MSFT)が0.58%安と、それぞれ続落している。一方、メタ・プラットフォームズ(META)は18営業日続伸の0.78%高となった。

エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・コム、テスラ、アルファベット、アップル、マイクロソフトの株価の推移のグラフ

エヌビディア以外の半導体株ではブロードコム(ARM)が前日比0.56%高となる一方、半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ(AMAT)は1.26%安の続落だった。また、S&P500構成銘柄ではないものの、ソフトバンクグループ(9984)の子会社で英半導体大手のアーム・ホールディングス(ARM)は1.48%安。5日の2024年10-12月期決算発表で示した業績見通しが投資家の期待に応えられなかったことを機に、翌日から5営業日続落となっている。

エヌビディア、アーム・ホールディングスなどの株価の推移のグラフ

投資家心理は悪化せず パウエル氏は1月CPIへの過剰反応を戒め

一方、1月CPIの結果は投資家心理を暗転させたわけではなさそうだ。12日のS&P500は取引開始直後は前日比0.94%安の水準だったが、その後、徐々に下げ幅を縮める値動き。FRBのパウエル氏はCPI発表後の下院金融委員会での証言で「一つや二つの良い経済指標に興奮すべきではないし、一つや二つの悪い経済指標にも興奮すべきではない」と述べた。シカゴ・オプション取引所によると、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)の12日の終値は15.89で、前日の16.02から下がっている。

VIX指数とS&P500の推移のグラフ

トランプ氏をめぐる不確実性はS&P500の見通しに影

1月CPIの上振れは1年前の2024年1月のデータでも起き、S&P500は1.37%安となったが、翌日以降は反発している。CPIはさらに2024年2月CPIでも市場予想を超える強さだったが、S&P500は楽観的な見通しが維持され、発表当日に最高値を更新した

ただ、足元の経済情勢は1年前とは異なり、トランプ氏の大統領就任で不透明感はいっそう増している。また、1年前はFRBが年末まで3回の利下げを行うとの見通しが維持されていたが、足元では利下げ見通しは後退している。S&P500の今後の見通しをめぐっては、トランプ氏が打ち出す高関税政策や減税路線が物価上昇圧力として現れ、FRBが利上げをも見据える展開になれば、強い下押し圧力がかかることも想定される。


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IG証券の株価指数CFD

  • 主要指数の24時間取引が可能
  • 世界約30銘柄の株価指数を提供
  • 株価指数をバイナリーオプションで取引

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。