米CPI、1月減速続く? 13日発表 S&P500上昇休止も
アメリカの1月CPIは減速の予想。しかし根強さが示されれば、最近のS&P500上昇の勢いがそがれる可能性もある。
アメリカで13日に発表される1月の消費者物価指数(CPI)は上昇率の低下が見込まれている。予想通りであれば、米連邦準備制度理事会(FRB)が春にも利下げに踏み切るとの期待を裏付けそうだ。一方、アメリカの物価上昇には根強さも感じられ、CPIが予想を超える伸びを示して、S&P500種株価指数を値下がりさせる可能性もある。ただし足元のS&P500は史上最高値を次々と更新する好調ぶりで、1月CPIが強かった場合でも株価への悪影響が限定的になる可能性もある。
アメリカの1月CPIは総合指数で3.0%上昇の予想
アメリカの労働省は13日午前8時30分(日本時間13日午後10時30分)に1月CPIを発表する。ロイターがまとめたエコノミストの事前予想では、総合指数の伸び率は前年同月比3.0%となり、12月の3.4%から大きく低下する見通し。コア指数の伸び率は3.8%が見込まれ、12月(3.9%)から上昇ペースが鈍化すると予想されている。
総合指数の伸び率が3.0%まで下がれば、6月以来の低さ。8、9月には原油価格上昇などの影響で3.7%まで上がっていただけに、物価上昇が沈静化に向かっているとの印象を強めそうだ。FRBはこれまでの物価上昇減速を評価して2024年に3回の利下げを視野に入れており、金融市場ではFRBが5月にも利下げに踏み切るとの見方が有力になっている。1月CPIの伸び率が予想通りに下がった場合は、アメリカの金利水準が下がり、S&P500(SPX)の上昇を後押しするとのシナリオが意識されそうだ。
一方、アメリカの物価上昇には根強さも感じられる。特に12月CPIは総合指数の伸び率が市場予想の3.2%に対して、3.4%という結果。コア指数でも3.8%の予想に対して、3.9%という結果だった。背景には年末商戦の好調さなどがあり、アメリカの消費の強さが物価上昇の減速にブレーキをかけた形だ。この12月CPIが発表された1月11日のS&P500は0.07%安。大幅な下落にはつながらなかったが、株価上昇を勢いづかせることはできなかった。このため、1月CPIが予想以上に強かった場合には、S&P500にとっては逆風といえる。
S&P500は長期金利上昇でも記録更新
ただし、S&P500は12月CPI発表後は、半導体関連株の世界的な上昇をきっかけにして値上がりが加速している。1月19日に史上最高値を約2年ぶりに塗り替えた後は、次々と記録更新を続け、2月9日には初の5000台となる5026.61をつけた。2023年末比の上昇率はすでに5.38%に達している。
こうしたS&P500の上昇はアメリカの長期金利(10年物米国債利回り)の上昇という株価のマイナス材料をものともしない強さだ。4.1%程度という長期金利の高さにも関わらず、S&P500の上昇が続いていることは、金利の先高感が株価の悪材料として意識されにくくなっていることの現れもいえ、1月CPIの結果が強くても投資家の間での楽観ムードが続く可能性もありそうだ。
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