円安急進の可能性も ドル円に節目か 日米金融政策の見通しは?
日本時間19日に相次ぐ、FRBと日銀の金融政策発表はドル円相場の節目となりえる。日銀が利上げを見送れば、円安急進の可能性もある。
ドル円相場が節目を迎える可能性が出てきた。日本時間の19日未明から昼にかけて、アメリカと日本で相次いで金融政策の方向性が示されるためだ。こうした中、18日のドル円相場は1ドル=153円台半ばで推移。7月初めにつけた1ドル=161円台後半と、9月中旬につけた139円台半ばの中間付近といえ、米連邦準備制度理事会(FRB)と日本銀行の情報発信次第で、円高と円安の両方に相場が急進する余地がありそうだ。このところのドル円相場では米国経済の底堅さと日銀が利上げに慎重だとの思惑が円安圧力を強めており、金融政策の今後の見通しに大きな変化が出なければ、円安が一気に進行する可能性も考えられる。
ドル円相場は153円台半ば 円高にも円安にも振れやすい水準
FRBは日本時間19日午前4時に、連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を発表する。また日本銀行は正午前後に金融政策決定会合の結果を公表する見通し。日銀の発表時間は前後する可能性はあるものの、8時間ほどの間で日米の金融政策の方向性が連続して示されることになる。
ドル円相場(USD/JPY)の17日のニューヨーク市場の終値は1ドル=153.46円。前日よりも0.69円の円高で、7営業日ぶりに円安がストップした。18日もほぼ同水準で取引されている。ブルームバーグによると、ドル円相場は7月3日に161.95円という37年半ぶりの円安水準をつけた後、日本政府の為替介入とみられる値動きや米国の労働市場の悪化などを受けて、9月16日には139.58円まで円高が進んだ。現在の水準はこれらの円安水準と円高水準のほぼ中間といえる範囲で、ドル円相場の今後の見通しは円安と円高の両方に動く余地が大きいといえそうだ。
FOMCは2025年の利下げ回数の見通しが焦点 日銀決定会合は利上げの有無に注目
FRBの発表内容で焦点となるのは経済見通しで示される2025年の利下げ回数の方向性。CMEグループのデータによると、金融市場では今回のFOMCでの利下げが確実視され、さらに2025年は2-3回の利下げが見込まれている。このためFRBが示す2025年の利下げ回数が2回以下であれば、市場の想定よりもFRBが利下げに慎重だとみなされ、ドル円相場での円安材料となる可能性がある。逆にFRBが3回以上の利下げを示唆すれば、円高材料といえそうだ。
また日銀の決定会合では利上げが決断されるかどうかが注目される。植田和男総裁は11月30日未明に公開された日本経済新聞のインタビューで、追加利上げの時期について「データがオントラックに推移しているという意味では近づいているといえる」と言及。11月の東京都区部の消費者物価指数(CPI)の中旬速報値が市場予想を超える強さだったことや、2025年春闘での賃上げへの期待も出ていることが背景だ。実際に利上げが行われれば、日本の金利の先高見通しを強める円高材料といえる。
日米長期金利は拡大傾向 日銀が利上げを見送れば円安急進の可能性も
一方、ドル円相場の動向に影響を及ぼす日米の長期金利(10年物国債利回り)の差はこのところ拡大傾向にある。ブルームバーグによると、日米金利差は6日には3.103%ポイントだったが、1週間後の13日には3.364%ポイントまで上昇した。米国で6日に発表された11月雇用統計が堅調な内容と受け止められるなど、経済の底堅さが意識されてきたためだ。米国金利の上昇はドル円相場の円安見通しを強める材料となる。
また、日銀の金融政策の方向性をめぐってはこのところ、日銀が2025年1月まで利上げを待つとの報道が相次ぎ、ドル円相場では16日までの6営業日連続での円安で、1ドル=150円程度から154円台まで円安が進んできた。ブルームバーグによると、投資家の動向から算出される利上げ確率は、日本時間18日午前11時45分段階で15%程度にとどまっている。こうした中で日銀が実際に利上げを見送り、金融政策の変更が1月まで行われないことが確実になれば、改めて円安が急進する可能性もありそうだ。
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